「草川くん、自分の顔もう一回見たら?」
「えー?そんなに俺ニヤニヤしてる??」
そういう意味で言ったんじゃないんだけど……。
「…もういい」
呆れた私はそう言って、草川くんより早歩きで前に進む。
「ちょっと!鳴沢さん。一緒に帰ってるんだし、どこか寄っていこうよ!」
「…イヤ。私、早く帰りたいの」
「――むう。なんだよ。俺、せっかく勇気出して誘ったのに」
「……はぁ!?アレのどこが!」
HR直後、クラスメイトがたくさんいる教室の中心でデカい声で『一緒に帰ろ』なんて言いやがったのはどこのどいつだぁー!!