そんな自分に首を振った。

あり得ない。
単に草川くんに夢中な女の子が多いのに、私はそうじゃないからに決まってる。
珍しいってだけでこの人は私に興味を持っているだけなんだ。



―――私のことなんか嫌いになるくせに。

一瞬でも浮かれた自分がバカみたい。



「……好きにすれば?言っても、聞きなさそうだし」


絶対、草川くんは私のことなんかすぐに忘れる。
そう思った。


「――うんっ!!さんきゅーなっ!じゃあ、授業戻る!」



彼は爽やかな笑顔を残して、教室を出て行った。

私は疲れたため息を吐いて、すぐに本を読む作業に戻った。