「美月…!あぁ…よかった……」 美月は俺を見上げる。 ゆっくり瞬きをする美月は、首を傾げる。 「お兄ちゃん……だぁれ?ゆらのお名前、『みぢゅき』じゃないよ?『たちばな』ゆらん、だよ?」 「えっ」 どういうことだ? 幼くなってる感じ…… しかも、橘って…? そのとき、ドアがバーンと開いて、女の人が入ってきた。 「ママ!」 美月は嬉しそうな笑顔を、その人に見せる。