一度だけ、美月の様子が変だったことがあったっけ。
…その日からだ。
放課後…一緒帰らなくなったのは。
あの時もう美月は、ちゃんと俺に信号を出してくれてたのにな。
気づいてあげれなくてごめん……
傷つけてごめん……
あの時の俺は、美月が言ってくれるのを待ってた。
でも…それじゃダメだったんだ…
待ってるだけじゃダメなんだよな…
美月が俺の話を聞いてくれてた時もそうだった。
美月は俺が何度突き放しても、いつの間にか心にある扉を勝手に開けて、優しくそこに居座った。
優しく……俺の心を軽くしてくれたのに。
俺はお前に何もしてやれなかった…
裏切ったのは俺の方だ。
傷つけたのは俺の方だ……

