そんな美月に誰も話し掛けようとしなかった。
ある一人を除いて。


「なぁ、美月?」

「……ん?」

「どしたんだよ」

「……何が?」

「最近来斗とも全く話してないじゃないか」

「…………来斗くんは、あたしのことが嫌いなの」

「は?」


机に突っ伏してた俺は、耳を澄ました。
健と美月だ。