「こないだ、高校のことでお母さんに会ったんだけど、
あの人なんて言ったと思う?
『お前なんて生まなきゃよかった』って言われてさ。
俺だって…生んでなんて…頼んでな、いのに。」


最後らへんには、涙が再び溢れて声にするのが大変だった。


「あたしは、松崎くんが生まれて、こうして出会えたこと、嬉しいよ。」


少し涙目の美月は、微笑むと手を握ってきた。

トクン……

触れられたとこが熱い。
胸が高鳴った。


「生きる意味がわかんなくなったら、あたしのために生きて。あたしのためだけに…」


真剣な眼差しにドキッとする。