「おばさん、お邪魔しました。」


廊下に出ると、
風音の母親が立っていた。

私は風音の母親に頭を下げて帰ろうと長い廊下を歩き始めようとしたとき、


「華恋ちゃん、」


風音の母親に呼び止められた。


「はい?」

「さっきは、ありがとう。」

「いえ………。」

「華恋ちゃんに、かばってもらっちゃって。」


徐々に弱々しくなる声。


「……。」

「ほんとに……、
何であんなに変わっちゃったのかしら……。」


風音の母親から、
静かに涙が流れた。