私がそう言うと、
主……風音は嬉しそうに微笑んだ。


「そうよ、私は風音。」

「風音、そろそろお体にさわります。
お休みください。」

「えぇ。そうするわ。」


風音は静かに目を閉じた。

数分後、寝息が聞こえる。

私は、風音に背を向けて、ドアに向かって歩いた。


そのとき、


ヒュッ……。

バリーンッ!!!!!!

何かが私の横をかすってドアにぶつかった。

振り返ると、寝たはずの風音が凄い形相でこっちを見ていた。