「お手柔らかに♪」

「それはこっちのセリフ。」


私は後ろから追いかけながらそう言った。


「いたぞ!!怪盗Vだ!!!!」

「あ、」


伊次くんは“しまった”という顔をしたあと、面倒くさそうに舌打ちをした。


「え、仲間に舌打ち……、」

「うっさい。後ろの警官振り切れよ。」

「いわれなくても。」


私の言葉に伊次くんはニヤッと笑った。