「どういたしまして。」 「……。」 そう微笑む伊次くんを見て、私は少し赤くなった気がした。 風が私たちの間に吹き、熱くなった私の頬を撫でる。 「……気持ちい。」 「秋風か。その服、寒くねぇの?」 「マントがあるから大丈夫。」 「ふぅん。」 私は頬の熱を冷まして、振り向いた。 伊次くんの手には瓜二つの狙っている“品”。 私はニヤッと笑った。