背後から聞こえた声に、
心臓が大きく跳ねた。


「伊次くん……。」

「昨日ぶり。」

「昨日ぶり……。」


何故か言葉が出てこない。


「元気ない?」

「へ??」

「今日は静かだから。」

「そう?」


ドキドキドキドキ……。

心臓が、うるさい。


そのとき、強い風が吹いた。


「ッ!!」


風に煽られて、体がグラリと傾く。

……転ぶっ!!!!!!