私は桜にニコッと笑って、
桜の手の中にある“品”を取り、
その場を飛び去った。


近くの木の枝に着地し、さっきまでいたところの様子を見た。


「きみ、誰だ?」

「あ……。」


桜は“しまった”という顔になる。


「ん?きみ、学生だね??」

「あ、えと……、」

「こんなところで、何してるのかな??」

「……。」

「今すぐ帰りなさい。」

「……はい。」


桜は、肩を落として帰っていった。