「ったく、鳴らすの遅い。」

「ぇ……?」


上から降ってきた言葉に、
私は驚いた声を出す。


「華恋、いつまでそうしているつもり?」


私はハッとして風音の方を向く。


「早くこっちへ来なさい。」


風音は私に向かって手を差しのべた。


「さぁ。」


私は自分の意志とは関係なく、
一歩、引き寄せられるように風音のもとへ向かう。


「……。」


グイッ!


「話は後で聞く。」


龍樹は私の腕を強く引いて、
風音の部屋を走って出た。