ベッドに横にしてから暫くたったとき、華恋が目を覚ました。
俺が経緯を軽く説明すると、


「駄目だなぁ。」

「何が。」


華恋は、そう自分を自嘲するように笑った。


「風音との関係を聞かれただけで倒れるなんて。」

「……。」


俺は押し黙る。


その後、
保健室の先生が顔を出し、
再び俺と華恋のふたりの空間に包まれた。


急に黙り込む華恋。


「……華恋?」

「見つけて。」

「ぇ?」

「私が本物。」

「かれ…」

「私を忘れないで……。」


華恋は、虚ろな瞳でそう呟いていた。