追いかけっこ(仮)



齋藤の声がいつもよりはるかにか細く、儚いく、体が震えている。


「齋藤、言いたくなかったら……、」

「聞いて、ほしいの。」


俺を真っ直ぐ見るその瞳が、


「ッ、」


何故か怪盗Vに似ていた。

齋藤はゆっくり続けた。


「彼女は私を見ると、
私めがけてガラスの花瓶を投げつけたのっ。
左腕が、真っ赤に染まって……んッ!!」


俺は話の途中で口を塞いでいた。

……キスによって。