気づいたら、 齋藤を無意識に踊り場に呼び出していた。 「で、連れ出したご用件は。」 「なんとなく。」 「なにそれ。」 本当に、 なんとなく、連れ出したんだ。 すると、齋藤は呆れ気味に笑って、 「……じゃあ、話し相手になってあげてもいいわよっ。」 そう踊り場の段差に腰かけた。 「上からかよ。」 俺はははぁー。と息を吐いて、 齋藤の隣に座る。