「で、こっからが本題なんだけど。」 「………ぇ?」 素で声がでた。 “こっからが本題”? 伊次龍樹は何を知りたい? 「齋藤?」 伊次龍樹が不思議そうに私の名前を呼ぶ。 「いや、本題までが長いなぁと……。」 「悪かったな。」 私を軽く睨む伊次龍樹を無視して、話を促した。 「で、本題って?」 私がそう言うと、 伊次龍樹は真剣な表情(カオ)をした。 「そいつの“過去”についてだ。」