「私、教室戻るよ?」


もうすぐ1限始まるし。

っていうか、
SHRサボっちゃったし。

私は階段を降りようと足を進めようとした。


パシッ……。


「ぇ?」


私は驚いて掴まれた腕を見た。


「あ、わりぃ。」

「いや、いいけど……。」

『……。』


再び流れる沈黙。


「やっぱ、話、聞いてもらおうと思って。」


しばらくの沈黙のあと、
伊次龍樹がその沈黙を破った。


「いいよ、聞いてあげる。」