コンコン……。 〈はい?〉 室内から、返事が聞こえる。 「怪盗Venusです。」 〈怪盗V!!〉 ドアの向こうから、 歓喜の声が響いた。 〈怪盗V、入りなさい。〉 私はその言葉に従って、ドアを開けた。 「今日は何を?」 私は無表情のまま問う。 「今日は……、」 紙を手渡されて、 恭しくお辞儀をする。 「行って参ります。」 〈いってらっしゃい。〉 私は窓の外に飛び出した。