颯はやっと顔をあげ、 あたしの目を 鋭く真っ直ぐに見る。 ゾクッとした。 もう、悪い予感しかしない。 「あげは…ごめん」 …。 「別れよう」 …。 …。 ……? 「どうして?」 考えるより先に 言葉が出てしまった。 今日の楽しかった いつも通りの一日が 嘘のように感じた。 一年以上付き合ってきて、 突然の別れの言葉。 『ずっと一緒だ』 って言ってくれたのに。 『大好きだ』 って言ってくれたのに。 『離さねぇ』 って言ってくれたのに。 …嘘吐き。