「知那と美恋ちゃん、遅いなぁ」 「ホントに。女子って妙に着替えとか時間かかるよな」 愚痴を言うように出た台詞。 それを遮るように聞こえた、甘い声。 「ねぇねぇ、君たち2人~?」 女特有の高い声をもっと高くしたような猫撫で声のそれ4人ほどに、俺達は取り囲まれた。 「高校生?お姉さんたちと遊ばなーい?」 歳は20歳くらいだろうか。 女たちも観光客なんだろう、言葉に目立つ訛りは無い。 空と目を合わせて、どうしようかと訴える。 空はしばらく考えるような素振りを見せた後、口を開いた。