「なあー、蒼」
「なんだよ」
空と二人部屋、布団に潜り込んでからかけられた声に小さく答える。
「結局の所さぁ、お前って美恋ちゃんのことどう思ってるわけ?」
いつになく真剣な声色の空。
いつものふざけた様子じゃないってことは、それなりに考えがあって聞いてるんだろう。
「どうって別に……よく言えば幼なじみ、悪く言えば腐れ縁?――だけど、」
脳裏に美恋の笑顔が浮かんで思わず笑みが零れる。
ただ、美恋が笑ってくれていたらいいと思う。
悪戯っ子の様な顔よりも、泣きそうな顔よりも、どんな顔よりも、笑顔が美恋には一番似合う。
だから、
「美恋を泣かせた奴は俺が許さない。例え誰であろうと。俺は、美恋の笑顔が見たいから」


