「あ~~、気持ち~」
「本当。移動だけだってのにお前等の所為で疲れたしな」
「蒼くんごめんねぇ~?」
湯船の中、ご機嫌な空にウゲッと言って眉間に皺を寄せる。
夕食も食べ終わり、今は風呂の時間だ。
明日からは海に行くし、今のうちにゆっくりしておきたい。
「俺もう上がるけど、空は?」
「ん、俺も上がる~」
二人で立ち上がって浴室から脱衣所に繋がる戸を開ければ、浴室とは違う蒸し暑さが俺達を覆った。
「にしてもあっちぃなぁ…」
そう言って、脱衣所の扇風機を全開にする空。
あちぃあちぃ言いながら、体を拭いている。
周りにはうちの生徒が何人もいて、どれも知った顔だからか特に気にした様子もない。
空のこんな行動は俺もそいつ等も見慣れたもので、俺も気にせず浴衣に腕を通した。


