「よくない……けど」
「ほらっ、よくないでしょ!マジお前等、純粋で可愛いあたしの美恋にこんなもん見せやがって……覚悟できてんだろうな?」
「いや、ちょっと待ってよ、知那!
そりゃぁ、あたし達が来るのにこんなの読んでたって言うのは…有り得ない、けどね?」
「だったらっ」
「でも……しょうがないんじゃん?こいつ等は、男なわけだし。女のあたし達に、あんなおばさんのどこがいいのかなんてわからないけど」
…本当のところ、しょうがなくなんてないけどね。
正直、すっごい悔しい。
あたしの気持ちも知らないで、こう言うの見てる、蒼が。
それでも、そんな蒼が好きなのも――…全てが、悔しかった。
雑誌に載ってるグラビアの女の人は、あたし達よりも当然年上で。
綺麗で、胸もおっきくて。
到底、敵わない。
それでも、それをおばさん、と言ってしまうのは、最後の足掻きなのかもしれない。
ねぇ…蒼。
それでも、あたしは全然可愛くなんかないけど、あたしは…蒼が、好きなんだよ?


