「これは、だな…?」
焦った様にそう言う蒼の手には、水着の…しかも胸がでっかいお姉さんの載った雑誌。
所謂、世間一般的に言う“エロ本”だ。
「さいってぇー………女の子が来るってのに、デリカシーってもんが無さすぎ!つーか、チャイム聞こえたよねぇ?!普通ならすぐしまうんじゃない!?」
…知那が……キレている。
男子の前なのに…素で話している。
蒼と空はそんな知那に怖気づいたのか、正座でスイマセン、と謝っている。
「そんなんで許されたら、警察いらないんだよっ!わかってんのか?おい、このエロガッパ!!」
何か、素ともキャラが違うような…?
と言うか、蒼達がなんだか可哀相に見えてきた…
「知那…そこら辺にしてあげれば?」
そう声を掛けたあたしに、
「美恋はいいわけ?!こんなデリカシーの無い男達と修学旅行行くんだよっ!?!」
そう噛み付く知那。


