玄関に入ると、後ろにいる知那に入るように促す。
目の前にいる洸は入って初めて知那がいることに気付いたのか、誰?と言う視線をあたしに向けて来る。
「あたしの友達の知那だよ。
…で、これは蒼の兄、洸」
あたしの隣に立った知那は、これが噂の~…と言う目で洸を見ている。
知那も洸もあたしが蒼を好きなことを知ってるから、洸が相談に乗って入れているのを知那も知ってる。
あたしは知那に笑い掛けて、キャラ、キャラ、と視線を送る。
それに気付いた知那はハッとして、これが噂の~…と言うアホ面を笑顔の姫キャラにする。
「初めまして!中村知那です」
「知那ちゃんかぁ~。可愛いね♪」
洸がそう言った瞬間、知那はへっ?と間の抜けた声を出して、顔を赤くする。
知那…またキャラ壊れてる。
普段そんなこと言われて動揺するキャラじゃないでしょ…
可愛いから告られたりするけど、軽くかわしてるし…
確かに洸はそこらの男よりカッコいいけどさぁ…?


