「蒼、良いよな?」
キモい笑顔のまま、空が言う。
「わかった…わかったから。その顔、やめろよ。正直…マジキモい」
「へ?!蒼ちん、そんなこと思ってたの!?ひどぉーい!俺っちの美貌がぁー!」
…アホだ。
空って、本物のアホだと思う。
確かに、顔は悪くないと思う。
うん、どっちかって言うとイケメンだ。
でも…それを自分で言うか?
はぁ、と溜息が零れた。
でも、空はそんなこと気にしてないらしく。
「で、土曜でいい?」
「「うん」」
「蒼は?」
「…空いてる」
「んじゃ、決まりな。一時に蒼ん家ね。つーことでかいさ~ん♪」
空のそんな声で、俺は美恋の席を離れた。


