美恋の悲痛な声が部屋に響く。 そしてそれは、俺に向けられたもので。 こんなに美恋が好きなのに。 そう思ったら、どうしようもなく切なくなった。 「……好き」 「え……」 美恋の嗚咽しか聞こえなくなった部屋の中で、聞きなれない単語が聞こえて聞き返す。 「好きなの……っ。どうしようもないくらい好き……もう、幼なじみじゃ嫌なんだよ…」 美恋の頬が、今まで以上に涙で濡れた。