「美恋…」 もう一度名を呼ぶけれど、反応は無い。 俺は美恋が寝ていることを確信してベッドに腰掛けた。 ――ギッ ――ギシ ベッドが軋む。 すやすやと無防備な寝顔を見せている美恋が可愛くて、少し身を乗り出して頭を撫でた。 なぁ、美恋。 お前は、誰を想ってる? やっぱり洸を想ってるのだろうか。 赤く腫れている目を見ると、胸が痛む。 何で泣いた? 俺を想って泣いた? なぁ、美恋――…?