ハッキリと、告げる。 だって、この気持ちは本物だから。 蒼にとってあたしが幼なじみだろうがなんだろうが、あたしが蒼を想う気持ちは変わりようがないから。 偽りようのないその気持ちは、“スキ”でしかない。 何があったって蒼のことを嫌いになれないって、今回のことで痛いほど思い知ったから。 あたしは、この想いを捨てない。 捨てちゃいけないんだ。 ――ガラ 「……はよ」 扉が開く音と同時に、不機嫌丸出しの低い声が聞こえて肩が上がる。 声だけでわかる。 あたしの大好きな人の声。 ――蒼の声。