「わかってるなら聞くなよ」 「……蒼」 呆れた様な蒼を見上げて、蒼が着ている薄着のTシャツの裾を握る。 「美恋?」 名を呼ぶ声に、口は開かないで目で訴える。 ねえ、わかるでしょ? 知ってるでしょ? あたしが暗い所とかユーレイとかそう言う系統のモノが本当にダメだってこと。 分かってるなら、知ってるなら、この手を振り払わないで。 そんな密かな期待を込めて、強く裾を握った。