久々に、夢のようなひと時が訪れようとしていた。
裕矢の車は、今流行りの紺色のコンパクトカーだった。ただ手入れが行き届いていて、不要な物のない車内はとても居心地が良かった。
「おなか減ってない?」
「ええ、まだ大丈夫です」
「大丈夫?それ、食べようと思えばすぐ食べれるってこと?」
「そんな事ないです。まだ減ってないんです」
「本当?」
「私のおなかが減っているかどうか気になります?」
「うん。実はさ……知佳ちゃんとデートできるのが嬉しくて、俺、メチャメチャテンションあがってさ。いつもだったらこの時間けっこうおなかが減っているんだけど、今日はぜんぜんなんだ。もうこのまま夜も何も食べないで寝ても平気って感じ。でも、知佳ちゃんはそうはいかないだろ?」
「ああ、そうなんですか。お気遣いいただいてすみません。でも、本当に減っていません。まだ大丈夫です」
「じゃあ、美術館に行った後でいい?」
「もちろんです」
「了解」
裕矢はニッコリ笑うと、私の目の前にあるダッシュボードを指差した。
「美術館まで一時間くらいかかるから、よかったら音楽でも聞かない?その扉を開けると、リストが入っているんだ。見てみて」
「リスト?」
「ああ、マイパッドに聞きたい曲をどんどん入れて、それを持ち込んでいるんだ」
「へぇー、何曲ぐらい入っているんですか?」
「百曲ぐらい」
「そんなに?すごい!」
「音楽を聴くのは大好きなんだ。ジャンルも幅広くて、ジャパン・ポップスからクラッシックまでけっこうなんでもござれってかんじ。ちなみにジャパン・ポップスは、はりきって新曲をパソコンでダウンロードしているから、流行の最先端をいっている自信があるよ」
「えっ、そうなんだ。すっごい興味湧いてきた」
私はウキウキして目の前にあるダッシュボードを開けた。すると、紺色のファイルで表紙に『音楽リスト』と書かれた物を見つけた。手に取ると、さっそく中を開いた。
裕矢の車は、今流行りの紺色のコンパクトカーだった。ただ手入れが行き届いていて、不要な物のない車内はとても居心地が良かった。
「おなか減ってない?」
「ええ、まだ大丈夫です」
「大丈夫?それ、食べようと思えばすぐ食べれるってこと?」
「そんな事ないです。まだ減ってないんです」
「本当?」
「私のおなかが減っているかどうか気になります?」
「うん。実はさ……知佳ちゃんとデートできるのが嬉しくて、俺、メチャメチャテンションあがってさ。いつもだったらこの時間けっこうおなかが減っているんだけど、今日はぜんぜんなんだ。もうこのまま夜も何も食べないで寝ても平気って感じ。でも、知佳ちゃんはそうはいかないだろ?」
「ああ、そうなんですか。お気遣いいただいてすみません。でも、本当に減っていません。まだ大丈夫です」
「じゃあ、美術館に行った後でいい?」
「もちろんです」
「了解」
裕矢はニッコリ笑うと、私の目の前にあるダッシュボードを指差した。
「美術館まで一時間くらいかかるから、よかったら音楽でも聞かない?その扉を開けると、リストが入っているんだ。見てみて」
「リスト?」
「ああ、マイパッドに聞きたい曲をどんどん入れて、それを持ち込んでいるんだ」
「へぇー、何曲ぐらい入っているんですか?」
「百曲ぐらい」
「そんなに?すごい!」
「音楽を聴くのは大好きなんだ。ジャンルも幅広くて、ジャパン・ポップスからクラッシックまでけっこうなんでもござれってかんじ。ちなみにジャパン・ポップスは、はりきって新曲をパソコンでダウンロードしているから、流行の最先端をいっている自信があるよ」
「えっ、そうなんだ。すっごい興味湧いてきた」
私はウキウキして目の前にあるダッシュボードを開けた。すると、紺色のファイルで表紙に『音楽リスト』と書かれた物を見つけた。手に取ると、さっそく中を開いた。

