午後五時三十分、ジャスト。上に羽織るものを替え『私は男運が良い』の続きを書いていると、誰かからメールが来た。
(たぶん裕矢さん……だよね?)
時間帯的に確率は高かったが、昨日の夜を思うとどうしても怖くなった。また鉄平からメールが来たのではないかと思わずにいられなかった。あまりにも怖くてロマンスを見れば、情報番組を見てゲラゲラ笑っていた。特に変わった様子はない。
(つまりこのメールは、裕矢さんからで鉄平じゃないってこと?)
恐る恐る携帯電話を手に持つと、『よし、行くぞ!』と言い聞かせメールを開いた。『澤田裕矢さん』の名前を見れば、心の底からホッとした。
-もう少しで仕事が終わりそうです。終わったらすぐ電話します。-
(美術館で裕矢さんとデートか。なんか大人な感じ)
ボーッとメールを見ていると、電話がかかってきた。もちろんかけて来たのは裕矢だった。たまたま携帯電話を手に持っていたので、すごく驚いた。
「も、もしもし?」
『俺だよ。今、仕事が終わったから迎えに行こうと思うんだけど、すぐ出かけられそう?』
「はい、支度はすんでいます」
『よかった。じゃ、これから迎えに行くから、家の場所を教えてくれる?』
「はい、わかりました」
私は大学から家までの道のりを詳しく教えた。朝、翔太にしたのとまったく同じように。電話を切ると、ボーッと宙を見つめた。
(なんか変な感じ。……って言うか、二股かけているみたいじゃない?)
軽い罪悪感を抱いた。『これでいいのだろうか?』と思った。
「考えすぎだ。頭一回空っぽにしてデートを楽しんで来い」
突然、ロマンスは言った。見れば、左手の親指を立てニッコリ笑っていた。
「ああ、はい」
うなづいて十分後、チャイムが鳴った。ドアを開ければ、そこにはスーツ姿の裕矢が立っていた。
「さあ、行こう」
「はい」
ドアをしめ鍵をかければ、裕矢のエスコートで車に乗った。
(よし、楽しむか!)
(たぶん裕矢さん……だよね?)
時間帯的に確率は高かったが、昨日の夜を思うとどうしても怖くなった。また鉄平からメールが来たのではないかと思わずにいられなかった。あまりにも怖くてロマンスを見れば、情報番組を見てゲラゲラ笑っていた。特に変わった様子はない。
(つまりこのメールは、裕矢さんからで鉄平じゃないってこと?)
恐る恐る携帯電話を手に持つと、『よし、行くぞ!』と言い聞かせメールを開いた。『澤田裕矢さん』の名前を見れば、心の底からホッとした。
-もう少しで仕事が終わりそうです。終わったらすぐ電話します。-
(美術館で裕矢さんとデートか。なんか大人な感じ)
ボーッとメールを見ていると、電話がかかってきた。もちろんかけて来たのは裕矢だった。たまたま携帯電話を手に持っていたので、すごく驚いた。
「も、もしもし?」
『俺だよ。今、仕事が終わったから迎えに行こうと思うんだけど、すぐ出かけられそう?』
「はい、支度はすんでいます」
『よかった。じゃ、これから迎えに行くから、家の場所を教えてくれる?』
「はい、わかりました」
私は大学から家までの道のりを詳しく教えた。朝、翔太にしたのとまったく同じように。電話を切ると、ボーッと宙を見つめた。
(なんか変な感じ。……って言うか、二股かけているみたいじゃない?)
軽い罪悪感を抱いた。『これでいいのだろうか?』と思った。
「考えすぎだ。頭一回空っぽにしてデートを楽しんで来い」
突然、ロマンスは言った。見れば、左手の親指を立てニッコリ笑っていた。
「ああ、はい」
うなづいて十分後、チャイムが鳴った。ドアを開ければ、そこにはスーツ姿の裕矢が立っていた。
「さあ、行こう」
「はい」
ドアをしめ鍵をかければ、裕矢のエスコートで車に乗った。
(よし、楽しむか!)

