(ああ、そうか。アミ、男以外あんまり興味ないもんね。女性の占い師だから、占いの結果にしか注意を向けなかったんだ)
納得しつつ、占いへ進む。鑑定料が五百円ほどかかるが、お金を払ってなんとかなるならと思い、承諾して鑑定へ進んだ。
 占いは四柱推命。中国から来た陰陽五行説を元に編み出された占いで、的中率の高さが売りである。占いの帝王とまで呼ばれている。
(なんか、期待できるなぁ)
エキゾチックな紫と黒で統一された画面の中央に、自分の生年月日と性別を打ち込む。ほどなくして、違う画面が開き鑑定結果が出た。
(早い!こんなに早いのに当たっているのかな?)
ちょっと不安になったが、せっかく鑑定料も払ったので読み進めた。
 とたん、ドキッとした。
「あ、あたってる……」
鑑定結果は、こうだった。
-あなたは、自分が欲しい物を相手に求めがちです。男らしい男がタイプで、よくつくしますが、三角関係になったり、ヒモのような男につかまって苦しめられることも多いでしょう。このことが原因で、職場にいられなくなることもあります。男性はよく見て選びましょう。-
(ああ、胸が痛い。まさにその通りだわ)
『男性はよく見て選びましょう』のところが特に痛い。胸に突き刺さる。これまでの恋愛に失敗してきたのは、ちゃんと選んでいなかったから。
(とはいえ、どう選べばいいのかな?その方法がわからないんだよね)
「なるほどな。確かにそれは重要な問題だ」
「うわっ!」
頭のすぐ後ろで声がして振り返ると、真っ赤な特攻服を着たロマンスがヤンキーのように座って携帯電話をのぞき込んでいた。アゴに手をあて考えている。
「来たなら来たって言ってくださいよ!」
「『じゃまする』と言ったぞ」
「絶対、言ってません!聞いていませんもん!」
「占いに夢中で聞こえなかったのだと思うが」