教えて！恋愛の女神様

　と思っていたら、やす子が突然口を開いた。
「お二人って、どういう関係なんですか？」
「え？」
裕矢と私だけでなく、灯もミサオもポカンと口を開けてやす子を見た。やす子は特に悪気がなかったようで、ニコニコしながら私と裕矢を見ていた。
　とたん、灯は噴出した。いや、ミサオも私も裕矢も噴出した。
「やす子ちゃん、急すぎる！なんかこう、『あのー、ちょっと聞きたいことがあるんですけど』とか前置きしなよ」
「あれ、していなかった？」
「でたよ『やったつもり』」
「本当に、していなかった？」
「頭の中でだけしていたんじゃない？」
「ありえるー！頭の中でだけ『あのー、ちょっと聞きたいことがあるんですけど』って言って、実際言ってない病」
「ちょっと、病気じゃないから。たまたま忘れただけだから」
「『たまたま』多いよねー。二講目もそれで青田先生を爆笑させていたじゃない」
「そうだった！青田先生、『なんだ山田、急だな。「あのー」とか言ってくれよ、びっくりするだろ』って言っていた」
やす子はつっこまれたにもかかわらず、ゲラゲラ笑った。まるで怒る気配がない。かなりの天然キャラだ。ただ、そうして笑っている彼女を見ていたら、私達もますますおかしくなり、結局全員大笑いしていた。
　アミ、ユカ、マアコといる時は、いつも男の話しか、誰かの悪口を言うか、自慢話をするかだった。話をしているうち、だんだん心が沈んでいく気がしていた。今のように、失敗を明るく笑い飛ばす事はほとんどなかった。
（なんか、灯ちゃん達といると楽しいな）
ふと思った。
「いや、本当。でも、お二人って一体どういう関係ですか？お友達ですか？」
「やす子ちゃん、でしたっけ？」
「はい、やす子です。山田やす子と申します」
「じゃあ、やす子ちゃん。せっかく興味を持ってくれているようなので、俺と知佳ちゃんの関係を説明したいと思います」