「先輩、おはようございます!」


「………………なんだ、それ」


可愛がっていたはずの後輩は、
今日は頭にふわふわの耳を装着している。



「今日は愛玩犬です!
思う存分、好きにして
可愛がっちゃってください!」


……思う存分、好きに、か……。



「……とりあえずな、」


彼は、キラキラとした目で俺を見つめる。

確かにその耳のふわっふわも相まって、愛らしい。


だけどな?



「俺は4つ耳を認めねえ!!」

叫びながらつけ耳をもぎ取った。



耳は2つで十分だろう。


せめて髪を伸ばしてから出直してきなさい