そんな私に隼人は、「…抱き締めさせろ」そう言った。 一瞬フリーズ、そして赤面。 何ていったら言いか分からなくて、言葉が出てこない。 いいよ、というのも恥ずかしいし……。 「…拒否権なしだから」 混乱する私を尻目に、隼人は私に手を伸ばし――― 「ぎゃっ」 「“ぎゃっ”ってお前…色気ねー」 強く強く、抱き締めた。 隼人の腕の中は温かくて、心地よくて、 「いつかちゃんと指輪買ってやるから、今はそのくまうさぎとネックレスで我慢しとけ」 …ジンクスを信じてみるのもいいかもしれないと、思った。