「それじゃ、仕事の邪魔して悪かったな。」 相変わらず感情のこもっていない言葉を言いながら、俺に背を向けて歩き出そうとしていた。 「綾都はっ……無事だったのか?」 男は俺の質問にピタリと足を止めると、振り向きもせずに言葉を発した。 「そんなことお前が気にすることじゃねぇ。」 「あっ……おい!」 男はそれだけを言うと再び歩み始めて、俺は止めようとしたが男は止まろうとはしなかった。 「真白っ!!」と大声で呼ばれたと同時に後ろから強く抱き締められた。 「樹里……」