『…さぁ?…でも、良かったな…』


「うん。ありがとユキちゃん。じゃあまた明日ね」


ユキちゃんの声は優しくて、どんなに短な言葉でもあたしには十分だった。


電話を終えるとベッドに寝ころんで、クマのストラップを眺めていた。


その時、“ガチャッ”と玄関の扉が開いた音がした。


飛び起きて部屋から出ると、帰ってきたのは父さんだった。


「…まだ起きてたのか」


あたしを見るなり冷たく睨みつけてきた。