『歩道橋の下では、夕暮れのオレンジ色に染まった幹線道路で、ミニパトに乗ってやってきた婦警さん達が、駐車違反の取り締まりをやっていました…』


『その内、一人の婦警さんがタイヤにチョークで印しを付けた後、ふと歩道橋の上を見上げ、一人の高校生と目が会い…、チョークを握りしめたまま、まさにそのチョークのように棒立ちになってしまって…』

『もともときめ細やかなその婦警さんの色白の顔は、すぐに赤く染まり…普通ならすぐに視線をそらせ、恥ずかしそうに俯いてしまうのでしょうが、それでも私から視線を外そうとはしませんでした…』



『私もその初めての衝撃的な出会いに、声も出なかった…』

『この背中から頭のてっぺんにかけて、稲妻が駆け上がっていくようなその感覚は、先程の…いや今までの人生で出会った全ての人達の比ではありませんでした…』

『小説的な表現方法だと、思われる方もいらっしゃるかと思いますが、現実は、それよりも上でした…』

『あえてこれをこの小説で描くのだから、安っぽい作品としか思ってもらえないでしょう…』

『しかし、本当にあった話だから仕方がない…』

『私の事を二流作家としか思わなくなるでしょうが、甘んじてその汚名を受ける覚悟はすでにできています!』



『話を元に戻します…』