君へ願うこと



「中学校のでいいんだよね」


「あーうん」


いつの間にかあたしの部屋に入ってきてるし。



「相変わらず、好きだよな、このシリーズ」

「ちょっと触らないでよ!」

「そうそう、昔このネズミのぬいぐるみ取ったらねぇちゃんにげんこつ落とされた」



あんたってばそんなことまで覚えてるの?




「はいはい、あのときは申し訳ありませんでした」



適当に謝りながら卒業アルバムを渡す。



「そういえばさ、あんた何で卒業アルバムなんか興味あるの?」


「いやさ、俺の友達がねぇちゃんの同級生をこの前見たらしいんだけどさ」


「へー誰?」


「大井っていう女なんだけど。ほら柔道部の主将だったやつ」