君へ願うこと



ケイと篠原さんの言葉で分かった。



「市ノ瀬君..あたしの事..“大事な人”って」


ぽたぽたっと落ちる涙を必死に拭う。





「参ったな最後まで内緒にして消えていなくなる予定だったのに」



困ったように笑いながら市ノ瀬君が近付く。



「市ノ瀬..く」


名前を呼んだその時


市ノ瀬君の手が伸びて


あたしを優しく抱きしめた。



「好きだよ。如月さん。どうしようもないくらい、君が好きだ」