「え?」
「知ってたって言っても..知ったのはついこの前の事だけど。でも
あたし柳君があんな人だって分かっても、ちっとも悲しくなんかならかった」
「如月さん」
思い出す、ケイと篠原さんの言葉。
「柳はさ、最低なヤツだったんだ。あいつ、告白してくる女の子を振るのが
趣味とか言ってさ、人を好きにさせておいて、期待させて振るのに快感を
覚えるんだって」
「たまたま通りかかったときに男子同士で話してるのを聞いたんです」
「その男子問い詰めて殴りに行こうとしたあたしの手を止めたのが」
「市ノ瀬君だったんです」
「そして市ノ瀬はこう言ったんだ」
「市ノ瀬君、二人に言ってくれたんだよね。“如月さんは俺の大事な人だから
俺に任せて”って」


