君へ願うこと



二人きりになってすぐにそう口を開いたあたしに




市ノ瀬君は一つため息を零すと。




「如月さん、もう終わったんだよ。俺達」



“終わったんだよ”



その言葉がずどんと鉛のように重たくのしかかる。



「分かってる、でもあたし牡丹ちゃんから聞いたの。お葬式の日に


ソラ君に言った言葉..」


「だから?それが何?たとえそうだったとしても。俺が君と付き合って

感情が生まれた事なんて一度もないよ」


「..市ノ瀬君」


「何を考えて俺を“嘘付き”呼ばわりしたのか分からないけど。前にも言ったよね。


俺はソラの為にしたんだ。全部」