君へ願うこと





          ※※




「市ノ瀬君、話があるんだけど」


次の日。


あたしは一生分の勇気を振り絞って市ノ瀬君の所に向かった。



「何?用件なら今ここで聞くけど」



あの時


付き合っていた時はあんなに優しげな目であたしを見てくれたのに。



今はまるで光の入ってない


冷たい瞳。



「ううん、ちょっと来てほしいの」


「ごめん、今勉強中なんだ」


「そこを何とか、お願い」


「ごめんね、如月さん」