君へ願うこと



歪んだ視界から牡丹ちゃんの思い切りしかめた顔が見える。



「だってあたしやっぱり..市ノ瀬君に、何とも、思って貰ってなかったんだなって

..そう思うと」


「あんた..」


「やっぱり、知らなくても..いい真実も、あるんだね」


「そうね。それはあるかもしれない」



牡丹ちゃんはちょっとだけ困った顔をして


それから


「ほら、コレ使いなさい」


ちょっと強引にハンカチを渡してその場から去って行った。