君へ願うこと




市ノ瀬君は


やっぱりあたしにウソは言わなかった。


双子の弟――――ソラ君の為にあたしの前に現れて


告白してくれた。


付き合ってくれた。



きっと


自分がソラ君に代わってあたしと付き合ったんだ。


自分の本当の気持ちを押し殺して。




そこに


あたしへの気持ちは1ミリもなくて。



市ノ瀬君は最後まで


ソラ君の為にあたしと―――――



「ちょっとヤダ、何泣いてんのよ」


「うぅっ..だって」