※※ 「は!?市ノ瀬がそう言ったの!?」 週明けの月曜日。 誰も使ってない教室に惠子ちゃんの声が響いた。 「う、ん」 駄目だ 思い出すだけでも涙が出てくる。 好きだと気が付いて もっともっと距離が近づくと思ったその矢先 あたしは市ノ瀬君から残酷な言葉を受け入れてしまった。 「や、やっぱりね。そうだと思ったよ」 なるべく軽めに。 あたしの気持ちが伝わらないように。 努めて明るい声で言ったあたしに 市ノ瀬君は最後まで 悲しい顔をしていた。