「俺の両親は小学校に上がる前に離婚したんだ。ソラは母さんに。
俺は父さんに引き取られた」
初めて聞く、市ノ瀬君の事。
「離婚したけれど、俺達双子は定期的に会っていたんだ。両親が可哀想に思った
んだろうね。その会って何回目かの時に、俺はソラの口から初めてキミの名前を聞いたんだ」
こんがらがった糸が
徐々にほどけていく。
「ソラはキミの事が本当に大好きだった。如月さんは覚えてないと思うけれど。
友達の少ないソラに話しかけてくれて、それがすごく嬉しかったらしんだ。
それからも毎回会う度にキミの名前が出てきてね。でも中学に上がったその年の冬..
ソラと母が交通事故で死んだんだ」


