君へ願うこと



周りに立つ、沢山のお墓。


彫り込まれた文字。



何も言えないまま、話しかける市ノ瀬君を見つめていると。



「ソラは、俺の双子の弟なんだよ」


しゃがんだまま振り返る。



「市ノ瀬君の弟さん」


「そう。有谷ソラ」




“あれ?名字は確か有谷だったはず”



この前の同級生の言葉を思い出す。



「ソラはね、ずっと如月さんが好きだったんだよ。ずっと..

小学生の時から」


え――――――?